レーシック手術の割引制度を有効活用ブログ：15/12/19
国際結婚すると告げたわたくしに
「聞きたくない…」と
親父は予想通りの反応をした。
わたくしも反発して
別に祝って貰わなくて結構だと言い放った。
親父は野球が好きで地元の少年野球団の監督をしており、
自らも草野球チームのエース。
一方、わたくしは大のトレーニング嫌い、
親父の期待を踏みにじり、
買って貰ったグローブを、雨の中外に置き去りにした事もある。
わたくしとは対象的に、弟はスポーツ少年に育った。
わたくしは親父が弟ばかり気にかけていると感じ、
大学で一人暮らしを始めるまで、親父の前で素直になれなかった。
大学時代、わたくしは世界中を放浪して過ごした。
そんなわたくしをずっと心配してくれたのはママだった。
親父には黙って旅に出ていたが、
ママは親父に全て話していたらしい。
その後、わたくしが商社に内定した時、
親父はわたくしを行きつけの居酒屋に連れていった。
会話は少なかったが、
常連客から「ムスコさんと飲めるなんて幸せだね」と囃されて
親父は嬉しそうにしていた。
徐々に解れた親子の糸は、
わたくしが大学時代に出会ったフィリピンの女性と
結婚すると決めたことで再び縺れてしまった。
ママや弟、婚約者のためにも
親父との関係を修復しなければならない。
一週間前、わたくしは実家に出向いて
親父をキャッチボールに誘った。
わたくしの投げる球は
親父の所まで届くのに精一杯だったが、
親父の球はわたくしの胸元まで真っ直ぐ飛んできて
その度に手のひらがビリビリと痺れた。
最初に口を開いたのは父だった。
「お前のやりたいようにやれ。お前より年上の人間なんて先に死んじまうんだから、
周りの理解など求めんでいい」
わたくしが返事をするより先に弟が来て
「仲良しじゃん」と嬉しそうに言ってきた。
わたくしはボールを投げ返しながら
「親子だからな」と言ってみた。